大府T邸|痕跡を残すリノベーション

大府T邸|痕跡を残すリノベーション

もともと大きなワンルームとして使われていたLDKです。空間としては伸びやかである一方、空調効率の悪さ、広さゆえの落ち着きにくさ、という課題がありました。

そこで、壁を新設するのではなくレースカーテンによる柔らかな分節を採用。視線と空気の流れを遮りすぎない方法で、空間のスケールを再調整しています。

内観|カーテンによって仕切られたLDK

あえて“整えすぎない”

壁面には、以前のDIY作業の痕跡が残っていました。パテ跡や塗装途中の表情です。通常であればきれいに均してしまう部分ですが、今回はあえて残しました。

内観|記憶の壁

痕跡を景色として扱う

均質に仕上げるのではなく、既存の痕跡をひとつの“質感”として再編集。(雑な)パテ跡も眺めていると抽象絵画の一部の様に見えてきます。

内観|パテ跡の残る壁と棚板

棚板は今回あたらしく付けた物。

スポットライトによる光が当たることで濃淡が生まれ、偶然性と静かなアートが室内に存在しているかのような佇まいとなりました。これもこの住まいの1つの記憶と個性としての表情。

部屋の中心となるアイランドキッチン

設備はさすがに更新時期が来ていたので新たにキッチンを新調しました。サンワカンパニー(現ミラタップ)製の物です。同時にキッチンまわりの床はテラゾー風の塩ビタイルに張替え。

内観|床の表情

ベニヤ張りの床

実は床も以前お施主さんがDIYで手を加えたもの。多少のチリ(でこぼこ)には目をつむり表面を整えるにとどめました。

完全に更新するのではなく、時間を受け継ぐ。
それもまたリノベーションのひとつの在り方だと考えました。